今回のブログは「Actcast」の導入事例のご紹介です。
「JR東日本駅構内の店舗におけるAIカメラを活用したオンライン接客の支援」について、現場からのレポートも交えながらご紹介いたします。
オンライン接客の仕組みやAIカメラの導入により期待できる効果をお伝えできればと思います。
現場はJR大宮駅の「えきたびマーケット」in 「駅たびコンシェルジュ大宮」
JR大宮駅の北改札を抜けて左に曲がると・・・
今回、当社のAIカメラが導入されました「JRE MALL Meet」は、「駅たびコンシェルジュ大宮」の中にある「Eki Tabi MARKET(以下:えきたびマーケット)」にあります。
旅のコンサルティングや観光情報を発信する拠点として4月から先行開業していた「駅たびコンシェルジュ」に加え、地域・地方とつながる場として商品の販売等を行う「えきたびマーケット」が6月30日に全面開業しました。
駅から地域・地方を感じられる「えきたびマーケット」
各地ならではのパンに旅行気分も味わえそうでした
全面開業当日の6月30日は「東北パンまつり」が開催されており、開店と同時に多くの方で賑わっていました。
(個人的な感想ですが、東北出身の筆者は地元名物のパンを見かけて大変懐かしく温かな気持ちになりました…!「えきたびマーケット」の「地域や地方につながる場」としての機能を実感した出来事です。)
オフラインとオンラインが融合した新たな購買体験
「JRE MALL Meet」の全体図
さて、前置きが長くなりましたが、「JRE MALL Meet」はオンライン接客型の店舗です。
写真のように車両やカートのような形をしており(車輪にはJR東日本様のロゴも入っていますね)、右側にはオンライン接客用のモニターが設置されています。
「JRE MALL Meet」の商品は、JR東日本様が運営するECサイト「JRE MALL」で販売している商品の中から旅や地域産品をテーマにした商品を定期的に入れ替えながら陳列して販売するというもの。
来店客は実際に商品を手に取りながら、気になる商品があれば画面越しにオンライン接客を受けながら「JRE MALL」で購入できる仕組みになっています。
現場に伺った6月30日は、岩手の工芸品の鍋や、山形の伝統的な寒天菓子など東北各地の品々が並んでいました。
オンライン接客ってどんな感じ?
「JRE MALL Meet」の前に行くと・・・画面越しの店員さんが自然なタイミングで話しかけてくれました!
AIカメラとSlackが連携し、自動で店員さんに「来店があったこと」と「来店者の属性(性別・年齢層)」のSlack通知が飛ぶ仕組みになっています。
実際にお客さん側として体験してみると、程よいタイミングで違和感なく話しかけてもらえた感じでした。
店員さんも必要に応じて接客に応じるので、効率良く接客することができますね。
店員さん:「南部鉄器のパン焼器は、本格的なパンからケーキ、蒸し料理もこれ1台で愉しめます。」
私:「そうなんですね、色々使えてデザインも素敵ですね〜(←だんだん欲しくなっていました笑)」
店員さん:「手前の山形県の空ノムコウというお菓子は、宇宙の様な見た目がSNSでも話題で”美しすぎる和菓子”とお取り寄せでも大変人気ですよ。」
私:「なるほど〜、綺麗なお菓子ですね!どんなお味なのですか?」
店員さん:「実は生姜も入っていて、さっぱりした甘さの寒天なんです。」
私:「へぇ〜!夏の手土産に買ってみようかな〜」
シスコシステムズ合同会社様の提供するWeb会議システム「Webex」を利用
オンライン接客で興味を持った商品はその場でQRコードを読み込んで購入するとご希望の場所に商品が届きます。配送していただけると、お鍋のような重さのあるものや暑い時期の生菓子なども安心ですね。
また、自宅に帰ってからじっくり考えたり、家族と相談したりした後でも、ネットからスムーズに購入できることも嬉しいポイントだなと感じました。
オンライン接客の体験は「丁寧だけれども気軽」という新しい感覚だったように思います。
他の駅への展開や地域の方に直接発信いただくことも今後検討していくそうで、場所に縛られないオンラインならではの活用が楽しみです!
JR東日本様が「ここでしかできないことを発信し、地方との架け橋になっていきたい」とお話をされている様子も非常に印象的でした。
Webマーケティングの考え方がリアル店舗においても可能に
4種類のAI機能が活用されています
AIカメラによる画像分析の様子
「Actcast」のAIカメラは「JRE MALL Meet」内やモニターの上などに4台設置されており、それぞれ異なるデータを取得しています。
1. 展示前通行客の把握
2. 顧客の属性分析(写真「AIカメラによる画像分析の様子」右側)
3. サイネージや商品の視認率の計測
4. 来店通知(写真「AIカメラによる画像分析の様子」左側)
AIカメラを活用することにより、「いつどのくらいの人が通行したか」、「どのような属性(年齢・性別)にどれくらい興味を持ってもらったか」を人の手を煩わせることなく定量的にデータを得ることができます。
最後の4.の来店通知は、今回特に新しい取り組みです。
店舗に来店があるとオンライン接客を担当するスタッフへSlackで通知が飛ぶようになっており、スムーズなオンライン接客を実現します。
これからの購買体験
オフラインからオンラインの購買行動がシームレスに繋がることによって、Webマーケティングでは当たり前に行われているファネル計測がリアル店舗においてもできるようになります。
また、エッジAIプラットフォーム「Actcast」を利用して取得した情報はAIカメラ内で処理され解析結果はテキストデータのみとなり、プライバシーに配慮した情報の活用が可能となります。
私たちも「Actcast」の多様なAI機能を活用し、今後もより良い顧客体験の提供を支援していきたいと考えています。
様々なメディアにも掲載された「Actcast」活用の記事
当社の「JRE MALL Meet」についてのプレスリリースの内容は、DIGITAL SHIFT TIMES、CNET JAPAN、ZDNet Japan、YAHOO!ニュース、織研新聞、MarkeZineなど様々なメディアにも取り上げていただきました。
駅という身近な場所におけるAI導入の取り組みや、OMO(Online Merges with Offline: リアル店舗とオンラインショップの融合)による新たなマーケティング施策への注目度の高さを実感しました。
この数年間のニューノーマルな時代を通じて、リアル、オンライン、それぞれのメリットを実感された方も多かったと思います。どちらか一方を選ぶという選択肢に加え、リアル、オンラインが連携し合ってより良い選択肢やサービスを生み出す時代が到来しているように思います。
Ideinの掲げるビジョンー 「ソフトウェア化された世界を創る」はソフトウェアのようにアップデートし続けることができる社会の実現を表しています。
現場なリアルとオンラインの融合を通じて、私たちはこれからも思い描く社会の実現を目指して取り組んでまいります。
本件に関するプレスリリースはこちら↓
エッジAIのIdein、JR東日本駅構内の店舗にて AIカメラを活用したオンライン接客を支援 (PR Times)
※<国内シェアNo.1について> デロイト トーマツ ミック経済研究所 『エッジAIコンピューティング市場の実態と将来展望 2021年度版』「エッジAIプラットフォームのベンダシェア(台数)」による